最近、「市街化調整区域内にある物件」の売却査定やご相談をいただく機会が増えています。
実は過去にも、他の不動産業者様(県外の業者様)が媒介を受けて販売していた調整区域の物件について、当社にご相談いただいたことがありました。
あらためて詳しく調査を進めてみると、その物件は「分家住宅」であることが判明。
売主様に「分家住宅としての制限があることをご存知ですか?」とお尋ねしたところ、「前に依頼していた県外の業者からは何も言われていなかった…」と大変驚かれていました。
エリアの法規制や都市計画法に詳しくない業者様の場合、こうした重要な制限を見落としたまま販売活動を行ってしまうケースが少なからず存在します。
今回は、売主様はもちろん、購入を検討されている買主様にもぜひ知っていただきたい「市街化調整区域(農家住宅・分家住宅)」の注意点について解説します。
市街化調整区域は、原則として建物の建築や開発が制限されているエリアです。その中で例外的に建築が認められている代表例が「農家住宅」や「分家住宅」です。
ここで最大のポイントとなるのが「属人(ぞくじん)性」です。
つまり、相続などで引き継いだとしても、買い手(新しく住む人)が制限されてしまうため、そのままでは一般のお客様に売却することも、一般の方が購入して住むこともできません。
【買主様への注意喚起!】
ポータルサイト等で「安くて広々とした物件」を見つけても、市街化調整区域の場合は注意が必要です。
万が一、手続きを行わずに購入してしまうと、「購入したのに住民票が移動できない」「建替えやリフォームの許可が下りない」「違法建築扱いになってしまう」といった深刻なトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
第三者に売却したり一般の方が住んだりするためには、行政へ「用途変更」の手続き(都市計画法に基づく立地基準等のクリア)が必要です。条件は非常に厳しく、自治体ごとの要件に合わせた綿密な調査・調整が不可欠です。
市街化区域と大きく異なるのが、インフラ(ライフライン)の整備状況です。
査定や現地調査の際、特に注視するのが以下のポイントです。
公共下水道が引き込まれていない(井戸水+個別浄化槽のケースが多い)
上水道の引き込み管が細い、または他人の土地を経由している
浄化槽の維持管理状態や、放流先(側溝など)の権利関係
買主様にとっては「井戸や浄化槽の維持管理コスト」や「将来的なインフラ引き込み・修繕費用」が想定外の出費となる可能性があるため、事前調査でこれらの設備状況を正確に把握しておく必要があります。
建物が実際に建っているからといって、道路に関する条件(接道要件)をクリアしているとは限りません。
市街化調整区域では、過去の経緯によって道路の種別が複雑になっていることが多々あります。接道に問題があると、買主様が住宅ローンを組めなかったり、将来的に再建築(建て替え)ができなかったりするため、現地調査と役所での詳細な聞き取りが必要です。
前述の「用途変更」や「開発許可」のハードルを越えるためには、行政書士や土地家屋調査士といった専門家への依頼が必要不可欠です。
役所・農業委員会等との事前協議
敷地や境界の測量
用途変更のための申請書類作成
これらの手続きには相当の時間(数か月〜半年以上)と、数十万円単位の費用がかかります。売主様は「手元に残る売却金額」、買主様は「購入総額と入居までのスケジュール」をしっかりと把握したうえで進めることが大切です。
「他の業者に任せていたけれど、本当に大丈夫かな?」
「検討している物件が市街化調整区域にあるけれど、購入して問題ない?」
市街化調整区域の不動産取引は、地域の法規制や役所・農業委員会との交渉ノウハウを持った不動産会社に相談することが何よりのリスクヘッジになります。
売主様にとっては「後からのトラブルを防ぎ、安心・安全に売却すること」、買主様にとっては「リスクを理解したうえで安心して暮らせる住まいを手に入れること」。
蘭学通り不動産では、地元の不動産プロとして現地調査・役所調査を徹底して行い、お客様一人ひとりに最適なご提案をいたします。売却・購入に関するご不安や疑問がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください!